エナメルが「不良系のいい女」用の素材だとするなら、革はもう一段か二段ほど上層のご身分の美女が身に纏う素材である。
彼女たちが革を身に纏っているのは、防寒のためではなく、ファッションのためでもない。
「肌ざわりがいいから」
「値段が高いから」
「高級品だから」
このような上級の本物志向の前では、どうしても人工的な素材は色褪せてしまう。
といったような御託を並べてはみたものの……。
我々が本当に心の底から好んでいるのは、こういう種類の革ではないか?
カワでありながら、皮膚呼吸を許さないほどのフィット感!
着たことはないものの、よく知っているつもりのフィット感!
正直な話、筆者はこの種の革のためなら死ねる!
しかも、笑って死ねる!
満足して死ねる!
死んで生き返って、また死ねる!
……それほどの魅力を、革に感じてしまう昨今である。