不自然な角度に傾けた片腕のみによる、見事なまでの「隠し」……!
鼻、なし。
片目、なし。
口の端がほんの少し見えなくもないが、ほぼ完全になし。
まるで「顔のない美女図鑑」の評議委員会を挑発するかのように、じっと動かさない視線。
ジャック・バウアーの娘のような、科学実験室で先生を誘惑している生徒のような、静かながらも秘めた情熱を感じさせる妖しい姿である。
実は前々から候補にあった一枚なのだが、冬になるまで待っていたのであった。
しかし、いざその時が来てみると「書こう」と思っていたことの半分も書けなくなるほどの美しさである。
ちなみに当図鑑のカテゴリー的には「チラ見」「窓辺」「セーター」、さらに「美脚」にも入るという、何冠王になるのか不明なほどの暴れん坊ぶり。
満を持しての登場であるにもかかわらず、「ショートカット」も足さなければ……、と新たな領域を示唆するほどの名作であった。