今週のお題「ふるさと・夏」
このブログは「顔のない美女」という条件に合った写真を扱うという前提があるので、横顔で目、鼻、口が見えているものは完全にアウトとしている。
今回は髪で顔が隠されており、目も口も見えず、かろうじて鼻筋らしきものが見えているという珍しい一枚なので採り上げてみた。
特徴としてはまず、傾けた日傘の骨が、漫画の集中線のような効果を挙げている。
日傘の明るい朱色と、チョコミントのような夏服の色の対比も素晴らしい。
また、傘越しに水墨画の墨痕が透けており、それが黒髪と重なって奇妙な形になっているのも良い。
と思ったが、よくよく見ると右下の大きな笹の葉らしき部分は透けていない。
つまり、もともと傘の内側には梅の絵と、墨で文字か何かが書いてあったもののようだ。
暑さのせいか、あやうく見過ごしてしまう所であった。
ふるさとの夏……、かつて、この写真のようなヒンヤリした美腕の女性を見過ごしてしまったような気がする今日このごろである。